SIerに資格は必要か?:採用と案件の“建前”を読み解く

目次
はじめに:SIerとして、資格は本当に“必要”なのか?
SIerとして働いていると、「資格必須」「資格保有者歓迎」といった文言をよく目にします。
そんな中私達はどのようにスキルや、キャリアを形成していけば良いのでしょうか?
正しく理解していないと、もったいないことにもなるので、注意が必要です。
資格は“必須”ではなく、“建前として使われている”ことが多いです。
採用や案件に資格が組み込まれる理由
採用担当者に人を見る目がない
- 経歴書や面接だけでは、技術力や実務経験、人の能力や資質を見抜くのは難しい
- だからこそ、資格という“わかりやすい指標”に頼る
- 「資格持ってるなら安心」と思いたい心理が働く
一方、資格が無くとも こちらのスキルや能力を評価しようとしてくれる人
(見ようとしてくれる人)は、上司や仕事の発注者として、優秀な可能性が高いです。
上司や会社に説明が必要
- 採用担当者は「この人を採った理由」を説明しなければならない
- 資格があれば、「資格保有者だから」という言い訳が成立する
- 実力よりも、“説明しやすさ”が優先される構造
※採用した人が使えなかったり、問題を起こした場合、
責任を取らされるのは採用担当者なので、しょうがない面でもありあます。
資格を重視するユーザ・ベンダーの落とし穴
資格を必要以上に重視する相手は、
あなたの実力や仕事の成果を正当に評価できない可能性があります。
(=評価するつもりがない可能性があります)
さらにそんな人は、何か問題が起きた時に、
過程や、こちらからの報告や指摘・警告等を無視して
こちらに責任転嫁してくる可能性があるので要注意です。
キャリアップの考え方や方向性は要注意
採用やPJ要件に度々"資格"が掲げられていますが、
馬鹿正直に必要とされている資格を取得していくというのは、
少し考え直した方が良いです。
資格をとることで、市場価値が上がったり、
将来安泰になると考えるかもしれませんが、そんな事もありません。
- 必要とされる資格のトレンドも時代と共に変わっていく
- 資格をとることで、採用やPJへアサインされやすくなるかもしれないが、優良なユーザやベンダーの案件ではない可能性があるので、PJに入ってから困る
- 必要とされる資格は高度なものが多く、資格取得の難易度が高く、さらに定期的な更新が必要なものもある(労力に見合わない)
資格取得はあくまでも自分自身の知識補強と捉えておくのが吉。
正直な所、資格を保有していなくても、能力やスキルが認められれば
十分PJにアサインされます。
まとめ:資格は“必須”ではなく“都合の良い建前”
- 資格は採用・営業・説明の“建前”として使われる
- 実務では資格はあまり意味を成さず、経験や実力がカギを握る
- 資格を必要以上に求めてくる相手には注意が必要
- 資格に振り回されず、自分の実力と経験を軸にキャリアを設計することが重要